どうして「家庭学習」が大切なの?
小学校に入ると、学びは“自分で”進めるものに変わる
幼稚園や保育園のころは、「遊びながら学ぶ」というスタイルが多かったですよね。
でも、小学校に入ると、授業の時間が決まっていて、先生のお話を聞いて、みんなと同じペースで学んでいくことになります。
そしてもうひとつ大きく変わるのが、「自分で考えて、やることを進める」力が求められるようになること。これは、子どもたちにとってはけっこう大きなハードルなんです。

授業は1コマ45分。
まだまだ集中力が続きにくい1年生にとっては、それだけでも精一杯。
授業の中で「わかったつもり」になっても、実はちゃんと理解できていないことも少なくありません。
だからこそ、学校の学びを家庭で少しでもサポートしてあげることが、とても大事なんです。
家庭学習で「今日学校でやったこと、もう一回やってみようか」と復習したり、
「この計算、ちょっとだけ練習しようね」と取り組んだりすることで、学びがしっかりと定着していきます。
言ってみれば、家庭学習は学校での学びを支える“土台”のようなもの。
この土台があることで、子どもが「わかった!」「できた!」を感じやすくなって、学ぶことがどんどん楽しくなっていきますよ。

学力だけじゃない!家庭学習で育つ“非認知能力”
家庭学習って、テストの点数をよくするためだけのもの…と思っていませんか?
じつはそれだけじゃないんです。
家庭学習の時間を通して、子どもは集中する力や、最後までやりきる力、そして「できた!」という自信(自己肯定感)も育てていくことができます。
たとえば、「今日はこのドリルを1ページやってみよう!」と小さな目標を立てて、それをクリアできたとき。
「できたね!がんばったね」と声をかけるだけで、子どもの中には「ぼく、ちゃんとできたんだ!」という気持ちが芽生えます。
それを毎日ちょっとずつ積み重ねていくことで、自然と「学ぶことが好き」「チャレンジするのが楽しい」と感じるようになっていくんです。
また、短い時間でも「毎日机に向かう」習慣をつけておくと、自然と集中力や学ぶ姿勢が育っていきます。
この習慣は、これから先の勉強や、習いごと、さらには大人になってからの生活にもきっと役立つ“力”になりますよ。

小学1年生の家庭学習、まずやるべきこと3つ
「家庭学習って何から始めればいいの?」「勉強って毎日させたほうがいいの?」
そんなふうに悩んでしまうママ・パパも多いと思います。
でも、最初から完璧を目指さなくて大丈夫!
ここでは、小学1年生の家庭学習で“まずやっておきたいこと”を、3つに絞ってご紹介します。
ちょっとずつ、ゆる〜く始めていきましょう。

1. 学習時間の「リズム」をつくる
まず最初に意識したいのは、「いつ勉強するか」を決めることです。
小学1年生は、まだ1日の時間感覚がしっかりしていない子も多いので、
「帰ってきたらおやつ、そのあと10分だけお勉強」
「夕飯の前にちょこっとドリル」
というふうに、毎日同じタイミングで取り組むのがポイントです。
我が家では、帰宅後おやつを一つ食べたら宿題に取り掛かるというルーティンにしています。
子供と話し合い、「学校から帰って来てから一息つきたい」という本人の意思を尊重して、このタイミングになりました。
最初はほんの10分〜15分でOK。
「えっ、それだけでいいの?」と思うかもしれませんが、慣れていないうちはこれくらいがちょうどいいんです。
大切なのは、「毎日少しずつ続けること」。
テレビやゲームの前に「まずはお勉強しようね」と声をかけておくと、スムーズに習慣化しやすくなりますよ。

2. 「机に向かう習慣」をゆるくスタート
小1のうちは、「どれだけ難しいことができるか」よりも、“机に向かって学習する”という習慣をつけることが大切です。
たとえば、鉛筆を持ってなにかを書く、音読カードに名前を書く…そんな小さなことでも十分!
「座って、ちょっとだけ集中する」ことができたら、それだけで大きな一歩です。
楽しく続けるためには、シールカレンダーやタイマーなどのちょっとした工夫もおすすめです。
「勉強できたら1枚シールを貼る」「タイマーを5分にセットして、その間だけがんばる」など、ゲーム感覚で取り入れると、子どもも前向きになりやすいですよ。
親としては「もっとやらせたい…」という気持ちが出てしまいがちですが、最初は“ゆる〜く”がポイントです。

3. まずは国語と算数から!無理なく学べる内容とは?
小学校1年生の学習の柱は、「国語」と「算数」。
家庭学習でも、この2つにしぼって取り組むと、ムリなく進めやすいです。
【国語】
• 毎日の音読がおすすめ。
教科書や音読カードを使って、声に出して読むだけで、読み方・言葉のリズム・語彙が自然と身についていきます。
【算数】
• たし算・ひき算の計算練習をコツコツと。
市販のドリルや、無料プリントサイト(ちびむすドリル、ぷりんときっず など)を活用すると手軽です。
【共通して言えること】
「シンプルに、短く」
子どもが「できた!」「楽しかった!」と感じられる内容にしてあげると、勉強への抵抗感がぐっと減ります。
最初の家庭学習は、「続けること」を目標に、気楽な気持ちで取り組むのがいちばん。
少しずつ「学ぶ習慣」ができてくると、子ども自身の“やる気スイッチ”が自然に入るようになりますよ。

家庭学習が続かない…よくある悩みと解決法
「最初は張り切ってたのに、だんだんやりたがらなくなった…」
「忙しくて、つい後回しになっちゃう…」
そんなふうに悩むママ・パパ、多いですよね。
家庭学習は、最初からうまくいかなくて当たり前。
ここでは、小学1年生の家庭学習でよくあるお悩みと、気持ちがラクになる解決のヒントをご紹介します。

「やりたくない」と言われたときは?
毎日続けていると、どうしても「今日はやりたくない」「やらない!」という日が出てきます。
そんなとき、つい「ちゃんとやりなさい!」「サボってたらダメでしょ!」と言いたくなってしまいますが、グッとこらえて。
まずは、子どもの気持ちを受け止めてみてください。
「今日は疲れたんだね」「気分がのらない日もあるよね」
そんなふうに声をかけてあげると、子どもも安心して気持ちを切り替えやすくなります。
やる気が出ない日には、内容を軽くする・時間を短くする・ゲーム感覚で取り組むなどの工夫も◎。
たとえば、
• タイマーを5分だけセットして「この時間だけやってみよう」
• 音読1回+シール1枚で「今日はおしまい!」
といったように、小さな達成感を大事にすると、前向きに取り組みやすくなりますよ。
家庭学習は「続けること」が目的なので、完璧を目指すより“できたこと”を認める声かけが効果的です。

忙しくて付き合えないときの工夫
「一緒にやりたいけど、仕事や家事でバタバタ…」そんな日ももちろんありますよね。
家庭学習というと、「親が隣で見てあげなきゃ!」というイメージがあるかもしれませんが、実は“付きっきり”じゃなくても大丈夫なんです。
たとえば、
• 「タイマー5分セット→終わったらママに見せてね」
• 「お勉強が終わったら冷蔵庫のごほうびシール貼ってね」
といったように、子どもがひとりで進められる仕組みをつくってあげると、ママやパパがそばにいなくても取り組めます。
また、最近ではタブレット学習(スマイルゼミ・チャレンジタッチ など)や、自動で進むタイプのドリル教材も充実しています。
これらをうまく取り入れると、子どもが“自分で学ぶ”力もついてきて、忙しいご家庭でも無理なく続けやすくなりますよ。
小学1年生の長女は年長さんからチャレンジタッチをやっています。
タブレットのキャラクターが色々話しかけながら勉強のサポートをしてくれるので、親があれこれ言う必要もなく、楽しんで取り組んでくれています。

「毎日やらなきゃ」と気を張るよりも、「できる日だけでもOK」「楽しく続けられたらラッキー♪」くらいの気持ちで取り組んでみてくださいね。
大切なのは、“親も子も心地よく続けられる形”を見つけることです。
家庭学習を楽しく続けるためにできること
家庭学習って、「やらなきゃいけないもの」になってしまうと、子どもにとっても親にとっても負担になりがちですよね。
でもちょっとした工夫で、「やらなきゃ」から「やってみたい!」に変わることもあるんです。
ここでは、家庭学習をもっと楽しく、前向きに続けるためのヒントを2つご紹介します。

親子で「できた!」を共有しよう
子どもにとって、いちばんうれしいのは「がんばったことを大好きな人に認めてもらえること」。
だからこそ、家庭学習では小さな成功体験を一緒に喜ぶことがとても大切です。
たとえば、
• 「今日は漢字をきれいに書けたね!」
• 「最後まで計算プリントがんばったね」
• 「音読の声が昨日よりはっきりしてたよ」
そんなふうに、できたことを具体的にほめるだけで、子どもは「またやってみよう!」という気持ちになれます。
毎回じゃなくてもOKですが、
「がんばったね」「うれしいね」
そんな言葉を積み重ねていくことで、家庭学習が“楽しい時間”に変わっていきますよ。
子供がどこを頑張ったのか、遠目で見守りながら、終わった後に思いっきりほめてあげましょう。

ごほうび制度?OK!でも使い方にコツあり
「ごほうびで釣るのはよくないのかな…?」と気になる方もいるかもしれませんが、
じつは“ごほうび制度”も立派なモチベーションづくりのひとつなんです。
ただし、ポイントは「内容」と「使い方」にあります。
▼たとえばこんなごほうびアイデア
• シールを貼るカレンダーを用意する(10枚たまったら好きな遊び時間)
• ポイントカードをつくってごほうび交換(30ポイントで図書館へGO!など)
• サイコロやくじを引ける「家庭学習ガチャ」など、ゲーム感覚で楽しめるものも◎
大事なのは、「やったらお菓子をあげる」などの“物だけの報酬”に頼りすぎないこと。
それよりも、「できた自分をほめてもらえる」「やると楽しいことが待ってる」と感じられるようにすることが、やる気を長く保つコツになります。
「今日はがんばったからシール1枚!」「いっぱいためて、自分で選ぼうね♪」
そんなやりとりが、家庭学習の時間をあたたかく、楽しいものにしてくれます。

家庭学習は“勉強の時間”というよりも、親子で一緒にがんばる時間。
無理せず、でも楽しく、少しずつ“続けられる仕組み”をつくっていきたいですね。
まとめ|家庭学習は“楽しく・ゆるく”始めればOK!
家庭学習って聞くと、「毎日きちんと続けなきゃ」「しっかり見てあげないと」と、つい気合いが入りがちですよね。
でも、小学1年生のうちは“楽しく・ゆるく”始めるくらいがちょうどいいんです。
最初から完璧を目指す必要はありません。
たとえ1日5分でも、「今日はここまでできたね」と前向きに終われたら、それは立派な学習の一歩。
毎日の小さな積み重ねが、やがて大きな自信になっていきます。
子どものペースや気分に合わせて、「今日はちょっとだけ」「明日はおやすみ」でもOK。
大切なのは、“勉強がいやなもの”にならないこと。
家庭学習が子どもにとって「安心してがんばれる場所」になれば、それだけで大成功です。
そしてなにより、家庭学習の時間は、親子で一緒に過ごす大切なコミュニケーションの時間でもあります。
「できたね!」「よくがんばったね!」と声をかけながら、ぎゅっと抱きしめたり、笑い合ったり。
そんな日々のやりとりが、子どもの心を育てる土台にもなっていきます。
焦らず、比べず、子どもと一緒に“ちいさな一歩”から。
今日から、家庭学習をゆるっと楽しんでみませんか?
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