子どもがなんでも「イヤ!」という時期、育児の中でも一番大変ですよね。
でも、それは自我が芽生え、心が育っている証拠。
今回は、図書館司書でもある筆者が、我が子のイヤイヤ期に助けられた「魔法の絵本」をご紹介します!

そもそも「イヤイヤ期」って何?
2歳前後になると、多くの子どもが「イヤ!」「じぶんで!」と言い始めます。
これは“自分”という存在を意識し始めた成長のサイン。
でも、大人の思い通りに動かなくなるこの時期は、どうしてもイライラしがち。
イヤイヤ期に絵本が効果的な理由
イヤイヤ期(おおよそ1歳半〜3歳頃)は、子どもが自分の意思を持ち始める大切な発達段階です。
でも、まだ語彙が少なく、思いをうまく言葉にできないため、感情が爆発しやすくなります。
そんな時期に絵本は、次のような効果を発揮します。
① 気持ちを代弁してくれる存在になる
絵本の登場人物が怒ったり泣いたりする様子に、子どもは「これ、わたし(ぼく)みたい!」と感情移入します。
それにより、自分の気持ちがわかってもらえた安心感を得ることができるのです。
感情を言葉にする「ことばのモデル」にもなります。
② 想像力を通して自己理解が進む
物語の中で「イヤイヤ」している子がどうなるのか、どんな気持ちになるのかを追体験することで、
子どもは“自分を客観視する”力(メタ認知の芽生え)を少しずつ育てます。
これは、感情のコントロールや共感性の土台になります。
③ 親子の心をつなぐ時間になる
忙しい日々の中でも、絵本を読む時間は「目と声と気持ちを合わせる」特別なひととき。
子どもは「ママ(パパ)と一緒に過ごせた」という体験から、情緒的な安定感を得られます。
それは結果的にイヤイヤの頻度や強さを和らげることにもつながります。
④ “学び”ではなく“遊び”として受け入れられる
しつけや説教では反発してしまうことも、絵本なら「楽しい!」という気持ちと一緒に受け入れることができます。
子どもにとって“遊び”は最大の学び。絵本はその最高のツールです。
このように、絵本はただのお話ではなく、イヤイヤ期の子どもの心に寄り添い、育ちを支える大きな力を持っています。
ぜひ、毎日の育児の中に“1冊の絵本タイム”を取り入れてみてくださいね♪
司書ママが選ぶ!イヤイヤ期に効いた絵本5選
① 『いやだいやだ』/せなけいこ(福音館書店)
「いやだいやだ」と言い続ける女の子が主人公。
子どもの“あるある”行動に親が共感でき、子ども自身も「自分のことだ!」と興味津々。
最後のオチにくすっと笑えて、心がちょっと軽くなる名作です。
② 『わたしのワンピース』/にしまきかやこ(こぐま社)
うさぎさんが拾った白い布から、ワンピースを作るお話。
風景によって模様が変わるワンピースに、子どもは夢中!
「これが好き!」「これはイヤ!」というこだわりも、“自由に表現していいんだ”と安心できる絵本です。
③ 『もいもい』/市原淳(ディスカヴァー)
赤ちゃん研究から生まれた、不思議な形と音の絵本。
意味がわからなくても、視覚と音のリズムだけで楽しめるので、機嫌が悪い時でも読み聞かせしやすい!
親子で一緒に「もいもい〜♪」と繰り返せば、笑顔が戻るはず。
④ 『ノンタン ぶらんこのせて』/キヨノサチコ(偕成社)
順番をめぐってケンカするノンタンとお友だちの物語。
「どうぞ」「まっててね」など、社会性の第一歩が自然に身につくのが魅力です。
テンポが良く、繰り返しも多いので、言葉を覚え始めた子にぴったり!
⑤ 『あっぷっぷ』/中川ひろたか(ひかりのくに)
「にらめっこしましょ♪」の掛け声で始まる、親子のスキンシップ絵本。
表情遊びで、イヤイヤで硬くなった心をほぐしてくれる優しい一冊です。
読んでいるうちに、子どもも笑顔になってくれること間違いなし!
絵本読み聞かせのコツは「タイミングと共感」
イヤイヤしている真っ最中よりも、機嫌がよいタイミングに絵本を取り入れるのが◎
また、「これって○○ちゃんとおんなじだね」と声をかけると、自己肯定感もアップします。
おわりに|イヤイヤ期も、絵本で乗り越えられる
「なんでこんなにイヤばかり言うの?」と落ち込むこともあるかもしれません。
でも、絵本の力で子どもの心に寄り添う時間は、育児をもっとやさしいものにしてくれます。
イヤイヤ期こそ、親子で絵本の世界に逃げてみませんか?
その時間が、きっとあなたの育児をラクにしてくれます🍀
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