はじめに
仕事や家事に追われて、気づけば「今日もゆっくり子どもと過ごせなかったな…」と感じること、ありませんか? 特に小学1年生は、学校に通い始めてぐんと成長する時期。
頑張る姿に頼もしさを感じる一方で、「まだまだ甘えたい」「お話を聞いてほしい」という気持ちもたくさん持っています。
そんな親子におすすめなのが、秋の夜長の“読み聞かせ時間”。

涼しくなってきた夜に布団に入って、絵本を開くひとときは、慌ただしい一日の終わりをやさしく包み込んでくれる時間になります。
「5分しかないから…」と諦めなくても大丈夫。
短いお話でも、毎晩少しずつの積み重ねが、子どもに安心感を与え、親子の会話を自然に広げてくれます。そして何より、読み聞かせを通して「今日は一緒に過ごせた」という満足感が、お互いの心をあたたかくしてくれるのです。
この記事では、秋の夜長にぴったりの小学1年生向けの本や読み聞かせのコツをご紹介します。
忙しい日も、余裕のある日も、親子で心地よい読書タイムを楽しむヒントを見つけていただければ嬉しいです。
小学1年生に読み聞かせがおすすめな理由
小学1年生は、これまでの保育園・幼稚園生活から一歩進み、「勉強」「友達との関わり」「集団生活」など新しい世界に飛び込む時期です。
大きな成長を見せる一方で、毎日たくさんの刺激やプレッシャーに触れて、心が疲れてしまうこともあります。
そんな時、親の声で読んでもらう絵本は、子どもにとって安心と癒しを与える大切な時間になります。
また、この時期の読み聞かせには次のような効果があります。

• 言葉の世界がぐんと広がる
学校で学ぶひらがな・カタカナに加えて、絵本を通じて新しい語彙や表現を自然に吸収できます。
• 「聞く力」を育てる
先生や友達の話を集中して聞く力は、学習や人間関係の基盤になります。読み聞かせは楽しみながら聞く練習になります。
• 親子の安心感が深まる
一日の終わりに「大好きな人の声」を聞くことで、気持ちが落ち着き、安心して眠りにつけます。
さらに、小学1年生は「自分で読む」力が芽生え始める時期でもあります。
読み聞かせを通して「読書って楽しい!」という気持ちを育てることが、やがて自分から本を手に取る習慣につながっていくのです。
秋の夜長にぴったり!1年生向けおすすめ絵本リスト
小学1年生は、自分で文字を読めるようになり始めたとはいえ、まだまだ「お話を聞く楽しさ」が大きな時期です。
読み聞かせを通して、想像の世界に入り込んだり、親子で感想を話し合ったりすることで、ぐんと読書体験が豊かになります。ここでは秋の夜長におすすめの絵本を、テーマごとにご紹介します。
🍂 季節を感じる絵本
1.『14ひきのあきまつり』(いわむらかずお/作 童心社)
森の小さな仲間たちが秋祭りを楽しむ姿を描いた絵本。ページいっぱいに広がる秋の自然は、眺めているだけでも心が豊かになります。
2.『おつきさまこんばんは』(林明子/作 ふくいんかんしょてん)
夜空にやさしく顔を出すお月さまを描いた名作。短くリズムのある文章は、寝る前の読み聞かせにぴったりです。
3.『もりのかくれんぼう』(末吉暁子/作 林明子/絵 偕成社)
あのこはどこに隠れるかな?森の動物たちとかくれんぼを楽しむお話。秋の森の雰囲気がたっぷり味わえます。
🚀 冒険・想像の世界を広げる絵本
4.『エルマーのぼうけん』(ルース・スタイルス・ガネット/作 福音館書店)
小学1年生から大人気の冒険物語。章ごとに区切れるので「続きが楽しみ!」と毎晩の習慣にしやすい一冊です。続きが気になり、早くお布団に入ってくれるかも・・・?
5.『スイミー』(レオ=レオニ/作 好学社)
小さな魚が仲間と力を合わせる姿を描いた物語。学校生活が始まり、お友達との関わりが深まってきた1年生に響くテーマです。
6.『かいじゅうたちのいるところ』(モーリス・センダック/作 冨山房)
想像の世界に飛び込む楽しさを描いた世界的名作。いたずらっこマックスに共感する子も多いのではないでしょうか。読み聞かせ後は「どんな冒険してみたい?」と親子で会話が広がります。
🤝 友情・家族の温かさを感じる絵本
7.『ともだちや』(内田麟太郎/作 降矢なな/絵 偕成社)
「ともだちってなに?」を考えるきっかけになるお話。セリフの掛け合いが楽しく、親子でキツネとオオカミに声を分けて読むのもおすすめです。
8.『ちいさいおうち』(バージニア・リー・バートン/作・絵 岩波書店)
長く読み継がれている名作。ちいさなおうちの目を通して時の流れや家族の大切さを感じられます。
9.『はなをくんくん』(ルース・クラウス/文 マーク・シーモンと/絵 福音館書店)
冬眠していた動物たちが春の訪れを感じる物語。穏やかな雰囲気が、寝る前に安心を与えてくれます。
10.『だいじょうぶ だいじょうぶ』(いとうひろし)
おじいちゃんの優しい言葉が繰り返されるお話。「だいじょうぶ」子どもが安心できるフレーズが心に残ります。
1年生への読み聞かせをもっと楽しむコツ
小学1年生になると、ひらがなやカタカナが少しずつ読めるようになり、自分で「読んでみたい!」という気持ちが芽生える時期です。
だからこそ、読み聞かせは単に「親が読む・子どもが聞く」だけでなく、親子で一緒に楽しめる工夫を加えると、より豊かな時間になります。

一緒に読む体験を増やす
セリフの部分を子どもに任せたり、交代で一文ずつ読んだりすると「自分も読書に参加している」という満足感が得られます。
全部を読むのはまだ難しくても、短い部分から関わらせることで「読む自信」が自然に育ちます。
音読の苦手意識がなくなるといった嬉しいメリットも♪

寝る前は安心できる物語を選ぶ
一日の終わりに刺激が強すぎるお話を読むと、子どもが寝付きにくくなることもあります。
寝る前はやさしい語り口や安心できる結末の絵本がおすすめ。
子供はお話しの中の出来事を、実際の体験ととらえることができるそうなので、寝る前に素敵なお話しをたくさんよんであげたいですよね。
冒険やワクワクする物語は週末の夜や時間に余裕があるときに取り入れるとメリハリがつきます。
環境づくりも大切に
部屋の照明を少し落とし、落ち着いた雰囲気をつくると「読み聞かせの時間=安心できるひととき」として習慣になりやすいです。ひざの上に座らせたり、隣で寄り添ったりすることで、親子の距離もぐっと近く感じられます。
小学生になりだんだんとスキンシップが照れ臭くなってきますが、読み聞かせ中は自然に触れ合うことができますね。

年齢に合わせたステップアップ読書
小学1年生は、ひらがな・カタカナを習い始め、自分で本を「読めるようになってきた!」という喜びを感じる時期です。ただ、文字が多い本を一人で読むのはまだ大変。
だからこそ、読み聞かせと「自分で読む体験」を組み合わせることで、少しずつ読書の幅を広げていけます。

絵本から児童書へステップアップ
絵本を楽しみながら、短い章立ての児童書を取り入れるとスムーズに移行できます。
例えば『エルマーのぼうけん』のように1章が短い物語なら、読み聞かせと自分読みを交代しながら無理なく挑戦できます。
文字が多めでも挿絵がある本を選ぶ
1年生のうちは、まだ文字だけの本だとハードルが高く感じやすいもの。
挿絵が豊富な児童書や、漫画的なイラストのあるシリーズを選ぶと「読んでみたい!」という気持ちが続きやすくなります。
読み聞かせ+自分読みの両立
平日は親が読み聞かせ、休日は子どもが自分で声に出して読む、などの工夫で「読む力」と「聞く力」の両方を伸ばせます。子どもが読み間違えてもすぐ直さず、「最後まで聞いてから一緒に確認する」ことで自信を育てられます。
このように、読み聞かせを続けながら徐々に「自分で読む楽しさ」に橋渡ししてあげることで、1年生のうちに本好きの芽がぐんと育ちます。
あくまで子供本人の意思を尊重しながら、そっとサポートしてあげましょう。
秋の夜長を親子で特別な時間に
秋の夜は、夏よりも日が短く、自然と家で過ごす時間が長くなります。
その落ち着いた雰囲気は、読み聞かせを「特別な習慣」として楽しむのにぴったりです。

毎晩15分の“親子読書タイム”をつくる
たとえ短い時間でも、毎日続けることが大切です。「寝る前の15分は一緒に絵本を読む」と決めておくと、子どもにとって安心できる生活のリズムになります。
うちでは長女と次女が寝る前に読みたい本を1冊ずつ選び、布団の中で一緒に読むことにしています。
自分が読みたい本と、新しく出会う本が1冊ずつで良いバランスが取れています♪
読んだ本を記録して思い出に
カレンダーにシールを貼ったり、簡単な読書ノートをつけたりすると、「こんなにたくさん読んだ!」という達成感が味わえます。親子で本の感想を書き合うのもおすすめです。
うちの長女は好きなノートにキーホルダーを付けたりシールをはってオリジナル読書ノートをつくりました。本を読むたびにページが埋まっていくのが楽しいそうです。
読む時間から“語り合う時間”へ
読み聞かせは、ただ本を読むだけではなく、感想や気持ちを共有するきっかけになります。
「このキャラクター好きだったね」「こんな冒険してみたいね」と会話を広げることで、親子の絆がより深まります。
自分が幼少期にハマっていたシリーズを子供に勧めてみたり。
私は長女に『ぞくぞく村シリーズ』を勧めたところ、まんまとハマってくれて同志ができたとほくそ笑んでいます(笑)
秋の夜長は、忙しい毎日の中でも親子で心を通わせる大切なひととき。
本を開けば、そこには新しい世界と、温かい時間が広がっています。今夜からぜひ、親子だけの特別な読書習慣を始めてみませんか?
まとめ|秋の夜長に親子で楽しむ読書習慣を
小学1年生は、自分で文字を読めるようになってきたとはいえ、まだまだ親の読み聞かせが大切な時期です。絵本の世界を一緒に楽しみながら、少しずつ児童書へとステップアップしていくことで、読書が「勉強」ではなく「楽しい習慣」として根づいていきます。
秋の夜長は、そんな読書習慣を始める絶好のチャンス。
寝る前の短い時間でも、毎日続ければ親子の絆が深まり、本好きの心も育まれます。
ぜひ今日から、親子でお気に入りの一冊を開いてみてください。そこから始まる時間は、きっとお子さんにとって一生の宝物になります。
(おまけ)小学1年生におすすめ!秋の夜長に読みたい本リスト
◆ 絵本(読み聞かせにおすすめ)
1. 『100万回生きたねこ』(佐野洋子/作・絵 講談社)
ちょっと深いテーマも含まれる名作。親子で感じ方を話し合うきっかけに。
2. 『めっきらもっきら どおん どん』(長谷川摂子/作 ふりやなな/絵 福音館書店)
不思議な世界に迷い込む冒険心をくすぐる一冊。声に出して読むとリズムが楽しいです。
3. 『モチモチの木』(斎藤隆介/作 滝平二郎/絵 岩崎書店)
少年の勇気を描いた心温まる物語。1年生でも感情移入しやすいです。
4. 『あらしのよるに』(木村裕一/作 あべ弘士/絵 講談社)
あらしのよるにたったひとり。見知らぬところで誰かに会えたらほっとしますよね。オオカミとヤギの友情の物語。
5. 『わすれられないおくりもの』(スーザン・バーレイ/作・絵 評論社)
死を迎えるということはどういうことなのか。命や思い出について考えるきっかけになる感動の絵本です。
◆ 児童書(ひとり読み+読み聞かせの橋渡しに)
6. 『やぎこ先生 いちねんせい』(ななもりさちこ/文 大島妙子/絵 福音館書店
一年生になったばかりの子ヤギと、先生になったばかりのやぎこ先生。はらはらどきどきの毎日を描いた短いお話7編で構成されています。
7. 『がまくんとかえるくん』(アーノルド・ローベル/作 文化出版局)
シンプルな言葉で、友情や思いやりが描かれているシリーズ。声に出して読むと親子で楽しめる。
8. 『スーホの白い馬』(大塚勇三/作 赤羽末吉/絵 ふくいんかんしょてん)
モンゴルの民話で、音楽や命の尊さに触れられる一冊。
9. 『おばけのアッチ』(角野栄子/作 佐々木洋子/絵 ポプラ社)
料理好きなおばけ・アッチのシリーズ。楽しくて笑いながら読める。
10. 『しっぱいにかんぱい!』(宮川ひろ/作 小泉るみ子/絵 童心社)
小学生の日常をリアルに描き、失敗から成長する姿に共感できる物語。
使い方のヒント💡
• 絵本は「親が読む」スタイルで楽しむ
• 児童書は「親子で交代読み」してみる
• 読み終えたら「感想を言葉にする」ことで理解力・表現力もアップ
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